1  |  2  |  3  |  4    次>    

橋のひとりごと

テーマ:上士幌ストーリー【創作】

今日のタウシュベツ川橋梁 

しかし何でかのぉ…冬だというのに毎日のようにお客がやってくる。
現役で働いていた頃も毎日、ガタタンゴトトンと賑やかなもんじゃったけど
このあたりも水が増えるようになってからは、
ワシも水に浸かってることが多くなったもんで汽車もとんと来んくなった。

もう、その時からも50年は過ぎたかな。
おかげで、この辺りも拍子抜けするくらい静かになったものだがなぁ…。

そんでも、ここんとこ数十年は
日向ぼっこでもしようかと体を起こすと
いつのまにか人がおってこっちを見てるんだ。
おかげで、クマ公もこの辺りを歩きにくくなったと嘆いていた。

hashi

クマ公と違って人間は、毎日のように来る。
大勢で来たり、ひとりで来たり…
中には、2人なのに殆どくっ付いてる妙なのもいたな…。

朝早いのやら、夜中に来るのやら息つく暇もないくらいだよ。
よっぽどワシの足の下には美味い魚が寄ってくるらしい。

しかし奇妙なもんで、そいつら釣竿も網も持ってこん。
どうやって魚を釣るんだ?
あったらまぁチッコイ箱をワシの方に向けてジーッと何か探しとる。
あんなもんで魚が捕れるようになったんだから世の中も変わったものよのう…
たうっしゅー山から

そういや、前にエゾシカの奴が
「お前さん“ホッカイドウイサン”とやらになったらしいぞ」
とニヤニヤしながら言っておった。

「なんじゃ?そいつはどんな病気じゃ?」

「オイラもよう知らん! しかしぃ人間が夢中になるほどのものらしいぞ。どっちにしろ食えんもんはオイラにゃ興味ないがなぁ…」

知ったかぶりのシカの言うことは信用ならんが、
どうやらワシの背中の見えんあたりに、
その“ホッカイ ドウイサン”とかいうおかしなものがへばりついているらしい。
そんなことを考えてると、また体が痒うなってくる…
増水期

おやぁ? またこっちへ誰か向ってくるなぁ…
いったいワシの背中には何が付いておるんじゃろうなぁ。
厳寒のタウシュベツ川橋梁
ともかく 訪ねてきてくれるのに
悪い気はしないよ

春の侵攻作戦

テーマ:上士幌ストーリー【創作】
春の気配

 

春は 冬将軍の目を盗みながら 空からそっとやってくる

雪のフリをして 雪に混じりながら この広い台地に降り注いでいく

東大雪の山に降り積もった雪に混じって そっと小さな流れに滑り込む

そして 大きなダム湖でワカサギにかき混ぜられながら

下流へと雪解け作戦を遂行する

少しずつ すこしずつ

冬将軍が気づいたときは いつももう遅くて

その座を「春」に明け渡さなければならない

そんなやり取りが幾千年

 

かつて たくさんの大木がドロドロと流れていった音更川

今は ほとんどの日々 サラサラと流れる優しい川

その川面には すでに 「春」が溶け込んでいる

 

そのせせらぎの脇には不思議な風景がありました。
それはまた今度ということで。。。

ねこまったちゃん②

テーマ:上士幌ストーリー【創作】
こんぶ

皆様お元気ですか?

この身に北の海の底で力強く漂う昆布の柄を持つことから名づけられた通いの托鉢ネコ「こんぶ」です。

 「春苦味、夏酢の物、秋辛味、冬は油とこころして食え」

ヒトの世界には、このような食のあり方を教えるありがたい言葉があります。
我輩もそれに習ってネコなりに旬の食を味わいたいと思います。

春マグロ 夏カツオ 秋サンマ 冬ブリ。。。
だけど丸猫になってしまいます。
ネコに脂が付く年は、いつもの冬よりシバレる(冷え込む)そうですから、この寒い冬ではしかたがないですね。

なに?違う?

森の三兄妹

テーマ:上士幌ストーリー【創作】
三兄妹

「これで何度目の冬かなぁ…」

「うーん…何度目だろうね。もうわかんないや」

「何度目っていつから?」

「いつからだろうね…」

「最後にお腹いっぱいだったときかな?」

「そうだ!そのあたりだよ」

「それほど経っちゃいないよ…」

「そうかなぁ…」

「毎日空ばっかり見上げてるからそう思うんだよ」

「だって空しか見えないじゃん。ここ…」

「うーん…きっともうすぐだよ」

「なにが?」

「何がって…春がさ…」

「春になると何があるの?」

「回りに緑色の頭の小さいやつがピョコピョコね」

「そっかぁ!そういえばいたねーっ」

「それで何度目の春だい?」

「さーね…待ってれば何か来るよ…きっと何か…」

雪の道

テーマ:上士幌ストーリー【創作】
冬の道

冬の上士幌への道
『道』 音に書くと『ミチ』 『未知』と同じ
進むべき道と 道でない境が曖昧な北の道

人生の先にある道は どちらかと言うと『未知』
道がはっきり記されていても
あんなにも曖昧な境界や 先の見えない急カーブもあって
こんなに平らでも足がすくむ

何も考えずに遠く目指してすっ飛ばす人
ゆっくりゆっくり だけどコチコチで進む人
道ではないところを道として進む人
始めから安全な道を探す人
いろいろな旅
どんな旅だとしても変わらないのは
全ての旅は既に始まっているということ

ぬかるみにはまったり
道の先が見えすぎて嘆くこともある
道を走っているのか 走らされているのかもわからなくなる
道が見えなくなって進めなくなる

だけど 道が吹雪で覆われても
皆の旅のため道を開ける人もいるし
ふと見上げると道を教える矢印があったりする

前ばかり見ていますか?
ちょっとミラーを見ると道を行くのは自分だけじゃないことに気が付く
道の先を点のように見つめる視線を少しずらすと
いろんなものが見える 立ち止まることも必要なのです
パーキングに入るのが恥ずかしい
そんなふうに思う人なんていないじゃないですか

道は全ての人が通る
満ちるために

1  |  2  |  3  |  4    次>    

プロフィール

ねこん

こんにちは 『ねこん』です。
『時の忘れ形見』を探してあちこちドライブしています。どうぞよろしく。

上士幌は心の埋蔵遺産がたくさんあります。
「幻の橋」や地球創生を思わせる温泉など…
ここでは、町のシンボルでもある『タウシュベツ橋梁』だけではなく、上士幌町のちょっとしたことを見つめていきます。 

忘れ形見紀行 ルイン・ドロップ

このブログの読者