命がけの講演会

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「黒曜石はどのようにして生成されたか」・・・火山の噴火で地上に流れ出たマグマが急冷し、黒曜石が生まれたことはわかっていた。
しかし、火山列島日本のなかでも限られた地域しか黒曜石が生成されていない。
黒曜石が生まれるために、地下で何がおこり、地上に噴出したマグマに何が起っていたのか・・・

和田恵治氏(北海道教育大学教授)による白滝黒曜石火山地域の調査によってその秘密が解明されつつある。

その研究に協力していた旭川市博物館の学芸員M氏から、『3月22日に「黒曜石の魅力を語る」という講演会で、和田教授が「白滝黒曜石がどのようにしてできたか」の講演をするのでぜひ聴きに来てほしい』 との連絡を受けていた。

これはもう何があっても絶対に聴きに行かなければならない



待ちに待っていた3月22日・・・前日から北海道は猛吹雪に襲われ、この日も大荒れの天気だった。

無謀とは思ったけど、車に除雪用スコップを積み込んで朝8時に家を出た。

糠平源泉郷を過ぎた頃、国道の警備員さんが赤い旗を振って車を止め 「三国峠付近の雪崩による通行止めは9時に解除されるので、もう少しお待ち下さい。」 とのこと。

雪崩でこの先が通行止だったことをこの時はじめて知った。

30分ほど待機し 「通行止め解除」 のサインが出た。

三国峠は太平洋、日本海、オホーツク海の3つの海域の分水嶺で標高1,139m、自動車の通行が可能な道内の国道で最高位の峠。
「通行止め解除」と云う言葉に根拠のない安心感を得て降り注ぐ雪の中をひたすら峠に向って走ったが、峠は想像を絶する激しい吹雪だった。

どのくらい凄いかと云うと・・・
土砂降りの雨のことを 「バケツをひっくり返したような」 と比喩するが、峠で遭遇した吹雪は 「スコップですくった雪の塊をフロントガラスにぶっけられてるみたい」 な降り方で先が全く見えない状態。

ここで車を止めると雪に阻まれ動かなくなるので、ゆっくりゆっくり進みやっと三国峠のトンネルにたどり着いた。
トンネルの走行は好きじゃないけど、この場合はオアシス・・・トンネルの中を走りながら考えた。
「もどるべきか行くべきか」・・・考えているうちに戻るタイミングを失いトンネルを出てしまった。

結局2時間半で着ける旭川に4時間かけてなんとか講演会には間に合った。


「黒曜石はどのように生成されたか」 (講師 和田恵治氏 北海道教育大教授) の講演をしっかり聴くことができた。

講演会


画像は地球上で最新1,300年前に噴出したニューベリー火山の黒曜石溶岩ドーム 和田教授が空撮


氏の長年にわたる白滝の黒曜石路頭の地層調査のデーターと、地球上で最も新しい黒曜石溶岩(アメリカ・オレゴン州・ニューベリー火山)から導き出された研究結果は、これまで抱いていた疑問を的確に解明するみごとな分析だと思えた。


講義で紹介された「黒曜石生成」の条件

①地下が左右に引っ張られる応力場に位置していたため、マグマだまりを生成する余裕がなく、SiO2
   に富んだ流紋岩マグマが割れ目から上昇しやすかったこと。
②マグマの噴出時の温度が750~780℃程度で、冷却されてガラスに転移した温度は700℃程度。
③地上に噴出した流紋岩マグマは4層構造で固形化。
  最上部は大気に触れ水分が蒸発した発砲ガラス、その下部に発泡化した縞状の黒曜石、さらにそ  の下が緻密な黒曜石、そして四段目に急冷せず発泡化した石質(火山灰)。

講演で話された内容は、きめ細かなデーターを基に詳しく語られたのですが、素人のボクが受けとめた 「黒曜石生成」のポイントは上記3点。

いずれにせよ、これまで未解明だった「黒曜石生成の秘密」を、白滝黒曜石火山郡の観察と原石の科学的分析から導き出された研究報告は素晴らしい内容でした。

猛吹雪の中を命をかけて行った甲斐は充分あったけど、いい年してかなり無謀な行動だったと反省してます。

帰路はさすがに三国峠縦断コースは避け、遠回りだったけど美瑛~富良野~狩勝峠経由して帰宅しました。

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かみしほろん

プロフィール

黒曜石の鏡に映る太陽

北の石器人

黒曜石(十勝石)の魅力にとりつかれ、原産地・上士幌町に移り住んで20数年・・・
日々、石にまみれて生きている1万年遅れの石器人です。

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